京大日本史は用語記述・短文記述が70問で70点、論述問題が2問。論述問題は200字論述が2題で30点である。
対策を進める際は、まず、基礎点として論述以外で55~60点を目指したい。そのために、旧センター試験の過去問演習で90~95%をとれるよう、鈴木和裕『時代と流れで覚える!日本史B用語』(文英堂)を消化することを心がけたい。そのうえで、論述対策を進めたい。参照する教材としては、山川『詳説日本史』と実教『日本史B』を併用するのがよいでしょう。
京大日本史論述のパターンは①:推移・変化型、②:多面型、③:特徴説明の3つである。頻度としては①・②の出題が多く、①は200字の答案を時期で、②は200字の答案を分野(政治・経済・外交・文化面)で区分する意識が重要である。京大日本史論述では③が最も難しい。早い段階から論述対策を進める必要がある。
答案例としては『京大入試詳解』(駿台文庫)、青本の参照を推奨する。
以下に示した答案例は、田中が独自に作成したものです。受験生が京大日本史に取り組むにあたって、答案例の1つとして参考にしてもらえればと思います。
受験日本史の指導者の方にも参考にしていただければ幸いです。京大受験生を指導するにあたって、複数の答案例に触れながら、考えることは重要と考えます。答案例を使用の際は田中一平が作成した答案例であることを明記して、ご使用ください。
更新履歴
2022年3月25日、2022年の答案例を公開しました。
京大日本史論述答案例
年度 | 古代 | 中世 | 近世 | 近現代 | |
2022年 | モンゴル襲来後~義満期までの日中関係 | 19世紀前半における幕府の対外政策とイギリスの動向 | |||
2021年 | 徳川家綱の時代 | 第一次世界大戦中~太平洋戦争開戦までの日米関係 | |||
2020年 | 田沼意次の財政政策の基本方針と具体策 | 明治・大正期の社会主義運動の展開 | |||
2019年 | 執権政治の成立過程における北条時政・義時の役割 | 近世石高制の成立過程と大名統制・百姓支配 | |||
2018年 | 9世紀の文化と10・11世紀の文化の特色 | 幕末期における薩摩藩の動向 | |||
2017年 | 鎌倉時代における荘園支配の変遷 | 田沼時代から幕末までの幕府の仲間政策の推移 | |||
2016年 | 南北朝・室町時代における禅宗 | 第1次近衛文麿内閣の対中国政策と国内政策 | |||
2015年 | 鎌倉〜安土桃山時代の銭貨の流通 | 1610年代~1640年代における江戸幕府のキリシタン政策の変遷 | |||
2014年 | 9~10世紀の財源確保と有力農民への課税方法の変遷 | 2つのニクソンショックと日本の対応 | |||
2013年 | 18世紀半ば以降の江戸幕府の財政難と対応策 | 明治期の初等教育制度とその普及 | |||
2012年 | 縄文時代~古墳時代初期の墓や墓地の変遷 | 平安末期~鎌倉末までの日中関係と日本が受けた影響 | |||
2011年 | 平安時代における浄土教の発展・広まり | 江戸時代初期に幕府が出した主要な法度 | |||
2010年 | 推古朝の政策と特徴 | 足利義満の時代 | |||
2009年 | 8世紀から11世紀における国司制度の変遷 | 江戸幕府の蘭学政策と蘭学への影響 | |||
2008年 | 鎌倉幕府における将軍のあり方の変化とその意味 | 明治維新から日清開戦に至る日清関係 | |||
2007年 | 縄文時代と弥生時代の主要な生業の違い | 日本国憲法の制定過程 | |||
2006年 | 9世紀前半の政治と文化 | 元禄期~天明期の江戸幕府の貨幣政策 | |||
2005年 | 室町・戦国時代の都市の発達 | 日清戦争後から日露開戦までの日本外交 | |||
2004年 | 18世紀以降の江戸幕府の農村・農民政策の展開 | 近代日本の貿易収支の推移 | |||
2003年 | 律令国家の法典編纂過程 | 日明貿易の展開過程 | |||
2002年 | 律令制下の人民負担 | 室町・戦国時代の鎌倉新仏教 | |||
2001年 | 近世琉球と日本の関係 | 金本位制の展開過程 | |||
2000年 | 天武天皇の時代 | 近世初期のキリスト教政策 |